冬のダイヤモンドから新しい生命の息吹が・・・・・

生命の起源はやっぱり宇宙に?

2010年4月、日本の国立天文台を含む国際研究チームが、生命の素材であるアミノ酸は宇宙から
飛来したという説を裏付ける証拠を発見したと発表しました。

発表によると、アミノ酸には右型と左型があり通常の化学反応では右型と左型は等量ずつできる、
しかし、地球の生物は左型だけでできているのが大きな謎とされていました。
研究チームは見つけたのです!地球から1500光年先のオリオン大星雲の中心部に「円偏光」という
アミノ酸をどちらかに偏らせる特殊な光が太陽系の400倍の広大な領域を照らしている現場を・・・・・
この領域には、右型のアミノ酸を壊し左型ばかりにする円偏光と左型のアミノ酸を壊し右型ばかりに
する円偏光の二種類存在することも確認しております。
太陽系は、ごく初期にこの円偏光に照らされ左型ばかりのアミノ酸が隕石に付着して地球に飛来し
たのではないかと結論付けた。

もしかしたら、オリオン座付近に生れ故郷M78を持つウルトラマンは、左型のアミノ酸を壊す円偏光
を浴びた右型のアミノ酸でできた超人間かもしれません☆☆.。.:*・♪(^-^)

 冬の代表的星座オリオン座が次の目的地だ。着くまでに狩人オリオンの神話を観てみよう。冬のダイヤモンドの一角一等星2個と二等星3個も持つ、形の整った星座だ。この星座が東の空に昇る頃は満天に冬の星座が夜空をにぎわし、夜の街にはクリスマスを待ち焦がれるように、あちらこちらでイルミネーションが瞬きます。

ギリシャのボイオティヤと言うところに、体の大きい美しい青年狩人がいました、これがオリオンです。月の女神アルテミスが、オリオンの腕前を認め自分の部下にし、地中海のクレタ島に連れて行きました。後にアルテミスはオリオンに求婚されますが、身分の違うオリオンと結婚するのがいやで、大地の女神ガイアにたのみ、サソリの毒をもって殺しました。また曙の女神エオス(オーロラ)がオリオンに恋したのを女神アルテミスが妬んでサソリを送り、殺したとも言われています。ゼウスは美しい狩人オリオンを惜しんで星座にあげました。星座になっても蠍座が東の空に昇る頃、今でもオリオンは西の空を逃げるように沈んで行きます。


 そうこうしているうち、1300光年彼方の
オリオン座大星雲が見えて来ました。
綺麗に形の整ったオリオン座の三ツ星はすぐ見つけることが出来ます、その三ツ星の右下に暗い三つの星が並んでいるのが見えます、これが小三ツ星と呼ばれています。その小三ツ星の真ん中の星をよく見てください、ぼーっとした感じに見えます、これがオリオン大星雲(M42)です。

ここの星雲の中心では今巨大なガス雲(星間分子雲)がすごい勢いで渦を巻き収縮している、いくつもの新しい星が今まさに生まれ出ようと、星形成のさまざまな段階の7万個もの星達がゆりかごに揺られています。
 大星雲の中にはトラペジウム(数十万年前に生まれた)と言われる青白く輝く、表面温度が4万度の四重星があり強い紫外線を出し、周りの直径5光年もある星雲を高温プラズマ化し、このような素晴らしい輝きを導きだしています。散光星雲の中でも発光星雲と言われる由縁でもあります。
M42の背後には100光年以上もある巨大な暗黒の世界があり、太陽1万個分の星の材料となるチリやガスの分子雲が息付いています。

また、散光星雲や天の川の明るく見える場所の手前に暗い星間ガスがあるため、その形がシルエットになって見える暗黒星雲と呼ばれる不気味な黒い星雲がある、代表的なものにオリオン座の馬頭星雲やへび座のワシ星雲M16(7000光年)があります。
暗黒星雲は、散光星雲と同じ星間雲ですが、散光星雲は星に照らされて輝いているのに対し、暗黒星雲は照らす星も無く光れず、超低温の約零下260度の密度の濃い、そして一酸化炭素、水、アンモニア、メタン等の数十種類の分子が存在する分子雲です。この暗黒星雲こそが原始星が誕生する母なる宇宙(分子雲)です。

言い変えるなら、暗黒星雲で生れた星の輝きが暗黒星雲の一部を照らし、散光星雲として私達に驚きと感動を与えてくれるのです。
またこのオリオン領域を大きく囲むようにバーナードループと呼ばれる超新星残骸(星雲)があり、数百万年前にいくつかの星がその一生を終え爆発した名残を残しています、そしてこの超新星爆発こそが、新しい星の誕生を育んでいるオリオン領域の正体なのです。

※アウトフロー
若い星の重力に引かれて、ガスやちりはその星の周囲を廻りながら円盤状の構造を作ります、一部のガスやちりが円盤と垂直方向に噴き飛ばされるアウトフローと呼ばれる現象があります。円盤状に残ったガスやちりの回転はアウトフローによって弱められ中心に集まり大きな星の材料となると思われています。
日本の国立天文台、名古屋大、京都大のチームが南アフリカの大型望遠鏡に特殊な装置を取り付け、2006年9月までの観測でオリオン星雲内の多くの若い星にこのアウトフロー現象があることを確認したと発表しています。星が産まれ輝くまでの進化の過程解明に大きな成果をあげています。

※では、星の一生はどの位?
私達の生命の源、太陽は全恒星中で平均的な星なそうです、その太陽の寿命は100億年と言われています、太陽系が出来て46億年と言いますからあと50億年は今のままで輝き続けるでしょう。太陽質量の2倍の星の寿命は10億年、5倍の星は1億年、そして20倍の星はなんと数千万年しか寿命がないのです。逆に1/2倍の星は1000億年も輝き続けることができるのです。
このように星は、最初にどれだけのガスを集めて星になったかで寿命が決まってしまいます、オリオン領域では大質量星が生まれ、そして死に、それを幾世代も繰り返したと思われています。
今、私達が見上げる夜空の星の半分は、生まれ変わった星と考えて眺めると、宇宙の神秘が伝わってきます。

※ランナウェイ・スター
200万年前、オリオン領域に、連星をなしていた星の一方が爆発し、弾き飛ばされたその星がランナウェイ・スターと呼ばれ、オリオン領域から高速で飛び出しているのが3個発見されているそうです。このような事実からも、オリオン領域は、今まさに大質量星が輪廻転生を繰り返している場所であることが明らかになってきたのです。

わし星雲(M16)に潜む謎?もう謎でもないが!
右下の写真を観てください。背後にある200万年前に生まれた星団(NGC6611)の強い紫外線を受けて、塵を含んだ水素ガスの雲がシルエットになって浮かびあがっています。
3本の星間ガスとチリの柱(写真の中央部)、長いので10兆km(約1光年)もある。そしてこの柱の先端には、突き出したいくつものガスの塊(グロビュールと呼ばれる)がある、塊と言ってもそれぞれ100億kmもあり太陽系より大きい、この塊こそがまさに星の卵なのです。これから何千年いや何万年後には、廻りのガスを吹き払いいくつもの星が夜空に輝きます。 

 

散 光 星 雲 ・ 暗 黒 星 雲
オリオン座大星雲M42上がM43 馬頭星雲、IC434散光星雲 ワシ星雲 M16(NGC6611)
距離1300光年 距離1000光年、1100光年 距離7000光年
拡大します 拡大します 拡大します
田村氏撮影 詳細情報はこちら

このオリオン座付近にはウルトラマンの生まれ故郷M78があり、また冬の正三角形を形造るベテルギウスとプロキオンに挟まれた、いっかくじゅう座には大輪のバラの花が咲いています、80光年も広がる星雲の中心では、およそ70万年前に生まれたNGC2244星団と呼ばれる表面温度2万度の星達が、強烈に恒星風と放射圧で周りの星雲を吹き払いこの美しい星雲を作り出しています、やがて星雲は放散し星達は星雲から独立し夜空に輝きます。
まさに、バラ星雲では、オリオン大星雲と同じように今新しい星が誕生しているのです。一角獣の神話も面白い。

オリオン座ζ星に一部掻き消されるように黄色く輝く星雲はNGC2024は、黒い帯状の暗黒星雲の陰に隠れた恒星が、この奇妙な星雲の輝きの源です。また馬頭星雲をシルエットとして浮かび上がらせている赤い星雲IC434はオリオン座σ星が影響して輝いている発光星雲です。

散 光 星 雲 
ばら星雲NGC2237
中の星団はNGC2244
NGC2024と馬頭星雲とIC434
距離3600光年 距離1300光年
拡大します 拡大します
沼尻氏撮影 詳細情報はこちら


※ウルトラの星M78についての逸話
乙女座銀河団と呼ばれる、銀河が多数集まった一角(Mナンバーが付いているものだけで14個もある)の中心にM87と言う宇宙ジェットを発し、強いX線、電波を放つ異様な楕円銀河があります、今はブラックホールの存在も予想されています。ウルトラマンの(制作監督の円谷英二氏)原作では、生まれ故郷はこのM87になっていました。ところが台本の印刷でm87がM78になってしまったそうです、そう言われてみるとM87の方がずっと超人間的なウルトラマンが生まれそうな神秘的な天体です。それにしてもM78は思わぬところで名前を知られることになりました。

オリオン座・ウルトラ星
オリオン座 M78ウルトラの星(NGC2068)
拡大します 拡大します
栗田氏撮影詳細情報はこちら

今、私達が観る夜空に輝く、動物や英雄や美女達に見たてられた星座は、実は偶然に同じ視線方向に見える星達を線で結び、その形に名前を付けたものです、言ってみれば生まれも育ちも違う赤の他人(星達)同士でつくる星座です。ところがこのオリオン星座を形作る(トラペジウムを含む)星々は、100万年前M42で生まれた、同じ母(星間分子雲)を持つ兄弟星達でオリオンアソシエーションと呼ばれる同じ空間運動をしている若い星群です。

オリオン座の一等星ベテルギウスは、太陽の700倍以上にも膨れ上がった赤色巨星で、もしこの星が太陽の位置にあったら、地球は勿論、火星、木星までもが呑み込まれる程大きいと言われています。蠍座の一等星アンタレスは太陽の230倍、変光星として知られるくじら座のミラは440倍の赤色巨星です。これら赤色超巨星達は明日にでも超新星爆発を起こすかもしれません、宇宙時間で明日とは、1年先か、1000年先か、数万年先かは、あてにならないがやっぱり明日かも知れないのです。

 

 プレアデスの乙女達
 散開星団・惑星状星雲・星の輪廻転生
 太陽系外惑星とボイジャーの旅
 木星から冥王星の正体と土星探査計画
 ルナー・A月への旅立ち
 アポロ13号から21世紀の月探査
 太陽系内惑星とボイジャーの旅
 水星から小惑星の正体と火星探査計画
 球状星団の旅
 生まれる星があれば年老いてゆく星もある。 
 小惑星の正体
 ラグランジュ点
 国際宇宙ステーション計画
 2003年完成めざしていよいよスタート
 遥かなる銀河の旅 
 果てしない深宇宙へ・・・・。 
 黄道12星座の旅
 12星座の歴史・星図・神話・運勢占い 。 
 深宇宙へ
 おとめ座銀河団・かみのけ座銀河団。
 プラネットワールド 
 太陽系惑星の謎を探ります。          
 南天の空
 ケンタウルス・大小マゼラン星雲。
 プラネットB火星へ
 270,694人の夢と願いを乗せて
 神秘なる恒星を訪ねて
 一等星の固有名・宇宙空間ってどんな距離
 彗星・流星の正体
 ヘールボップ彗星・しし座流星群の謎
 ブラックホールの謎
 降着円盤・事象の地平面。